可愛らしい市役所での『爆笑婚姻手続き』
さて、楽しい食事の後、私とMちゃんはその日泊まる予定の民家(新郎のお隣さん家。家人は一体何処へ行った?)へ。Mちゃんは「ちょっとだけ寝る〜。」と言って寝てしまったので、私もやるコト無いし、寝る(苦笑)。
しばらく仮眠を取った後は、私とMちゃんにとって大事なイベントが待ち構えていた。
そう...。
化粧っすよ!
二人して化粧をする。
「もっとチーク入れた方が良くない?」
「もっと目元派手にした方が良くない?」
とは専らMちゃんの弁。私は結局いつも通りのメイクで済ませてしまった。どんなに塗ったとて、そこはそれ、アッサリ顔のアジア人っすから。
Mちゃんはスペインチックなどレスに着替える。よく似合ってて、まるでモデルさんみたい!綺麗!
私は手持ちにコレといったモノがなかったので、クローゼットに眠っていた"シンガポールの空港で買った「シンガポール航空のスッチーもどき」の民族衣装"を着る。(後に新郎に「皆が噂してるんだけど、それってスッチーの服じゃない?(笑)」と聞かれる。)何故巴里乃宮にまでこの服を持って来ていたのかは激しく謎なのだが...。
さて、そうこうしているうちに時間となり、最後までメイクを粘るMちゃんのお尻を叩いて、市役所へ向かう。花に囲まれた可愛い市役所に到着。式の前日まで、この辺りも巴里乃宮同様お天気が悪かったそうだけど、この日は何と快晴!天も味方に付けるなんて、さすが新婦のLちゃん、晴れ女!
皆で今か今かと待っていると、黒塗りのキュートなアンティークカーが到着した。白いミニのワンピースを着たLちゃんが降りて来るのを目にした瞬間、私の涙腺は思いっきり緩んだ(爆)。Mちゃんが「もうぉ〜?早いよぉ〜!!」などとヤイヤイ言うもんだから、周りの人にも大笑いされつつ、泣く私。だってね、私たちといる時と、新郎といる時のLちゃんの表情は全く違ってるんだよ。分かってる?そこんとこ。あのえも言われぬ表情、やっぱり堪らんですよ。輝いとる訳ですよ。
で、私の第一発目の泣きも入った所で(笑)、式に参加する人がゾロゾロと市役所の中へ入る。手続きをする部屋はぎゅうぎゅう詰め。
そこで、市長さんが、何故休日であるこの日に式を執り行うことを認めたのか(新郎のご両親と新郎、共に長年の知り合いだそうな)、から始まって、一頻りお話をする。
そして、いよいよ新郎新婦が結婚の誓いをする時が来た!
「○○は△△を伴侶とすることを誓いますか...云々...。」
と市長さんが言うと、Lちゃんは感動してうわずった声で、
「Oui!!!...Bien sûr!!! Oui!!!(はいっ!も、もちろんっ!!誓いますっ!!!)」
と答える。Lちゃんらしくて笑ったけど、同時に感動して、私はまた涙(笑)。だって、Mちゃんが「Lちゃん泣いてんじゃん!」って言うんだもーん!しかし、実はそう言うMちゃんも泣いていたんだけどさー(笑)。それなのに、Mちゃんはとっととサングラスで隠しちゃって、私が泣いてることばかり周りに知らせるんだよ〜。ずるいよ〜。しかしまぁ、その後、二人して「マスカラ落ちてない???」と、互いに顔を覗き込んだ辺り、まだまだ余裕があったなー。ワハハ。
で、新郎の方も無事に誓いの言葉を述べて(彼は一言小声で「Oui」って言っただけ。でもそれが普通だわな〜(笑)。)、書類にサインをして、お決まりのキスだ。うーん、めでたい!
そんでもって、次の瞬間、Lちゃんはくるりと出席者の方へ向くと、
Je suis mariée!!! (私とうとう結婚したのよぉーっ!!!)
と叫んだのであります(爆)。その雄叫びにまた、私は笑いつつも涙したのでありました(爆)。
その後、市役所内の別棟の会場で軽食。
Mちゃんと時折会場を抜け出して外の風に当たっていると、会場からは他の誰の声もさほど聞こえないのに、何故か新婦Lちゃんの声だけはガンガン聞こえて来る(笑)。どんだけ地声デカイんだ...ヤツは(笑)。しかも、彼女の親族で唯一今回の式に出席出来た、彼女のお姉さんも(スイスの方と結婚して、ずっとスイスに住んでいる)声がデカかった。おまけにLちゃんと瓜二つ(笑)。
日本ではそっくりな親子や兄弟を「判で押したような」って言うんだとMちゃんに言うと、Mちゃん散々ウケた後、「スペイン語では水滴二つって言うんだよ。」と教えてくれた。それからというもの、ほとんど同じ動作で踊り狂う新婦とその姉を見る度に、二人が大声で話しているのを見る度に(二人ともマイク要らず)、また二人のダンナさんがどちらもめちゃくちゃおとなしい人であることを確認する度に、まぁとにかくコトある毎に「ハンコだ〜。」「水滴だ〜。」と言ってはウケていたのであります。(Lちゃんゴメンね。)
さて、この軽食の後は、いよいよ大本命、結婚式のパーティーが行われる訳ですが、この軽食もなかなかおいしくて、ついつい食べ過ぎてしまいました。プティフールや、チーズやソーセージの入った小さなパイや私の大好物のシュケットなどが山盛りでした。
皆の小腹も満足した所で、それぞれ車に分乗し、クラクションを鳴らしながらパーティー会場へと向かったのでありました。会場は緑に囲まれた「村の公民館」といった佇まいで、まさか、こんな静かな場所が、あんなに賑やかな空間へと変貌するなどとは、その時は思いもよらなかった私なのでした...。
Hyper Mariage! その4 『狂乱の宴(爆)』につづく...。